akechi’s diary

今日も大丈夫です

【191207】読んだ:東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』

忙!
勤務先の会社において来四半期の組織変更に向けた制度企画と社内調整、体制変更にともなう各部署の売上予測などなどを死ぬほどしている。楽しいけど全社にインパクトを与える規模の懸案事項が次から次へと降ってくるので精神面への圧が。ウィーウィッシュアメリークリスマス。頼む!!!

 

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【あらすじ】
劇団『水滸』の演出家、東郷の指示によって山荘に男女7名が集められた。
オーディション合格者である彼らは、姿を見せない東郷の指示に従い「豪雪で孤立した山荘での殺人劇」の即興稽古を始める。真意を訝りつつ与えられたシナリオを演じていくなか、メンバーの1人が姿を消す。果たしてこれは本当に芝居なのか……。

 

東野圭吾
正直そんなにポジティブな印象がないというか、みんな東野圭吾が好きですよね、ドラマ化映画化もよくされてますよね、ああ今度は木村拓哉主演ですかみたいな、人と違う本を読むことが極めて尊いと思っている自分のような人間(大学で4年間文学を学ぶとこういう価値観になる)にとってはちょっとナメられがちな作家だとおもう。※少なくとも早稲田大学文化構想学部で「好きな作家は東野圭吾です!」なんて言おうものなら鼻で笑われて即"浅い"判定をくだされる、拗らせたオタクしかいないので……。

 

ただ本書も含め、東野圭吾のこういう本格もの、実際に読んでみると普通に出来が良いのだよな。本格のお約束をなぞりつつ上手くズラしていく技術、図抜けていると思う。『仮面山荘殺人事件』とか。本書でいうと擬似的にクローズドサークルを作り出している点がそれにあたるのだけど、こういう仕掛けでもかなり仕掛けに幅が生まれるなあと。(ところでこの特別カバー、めちゃくちゃネタバレだけど良いのか)

 

確かに今読むとかすかな古さはあるにしても、本作の出版年が1992年であることを踏まえればむしろぜんぜん新しい。2000年前後に作風を本格からシフトシェンジするまでは今ほど売れてなかったというのがなんとも複雑だけど。刑事モノとか社会派があんまり好きじゃないので積極的に読んではこなかったけど、もっと読もう。少なくとも本格仕掛けのものは……。

 

ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)

ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)