akechi’s diary

今日も大丈夫です

【190906】読んだ:蓮實重彦『伯爵夫人』

男性器と女性器、それぞれの名称が各100回くらいでてくる。

 

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【あらすじ】
勇気があるなら、唇を奪ってもかまわない――。妖艶な<伯爵夫人>から性のならいを受ける主人公・二朗。開戦の足音迫る帝都にて、女たちが二朗に語り・授く、底しれぬ男女の営み。ばふりばふりとまわる回転扉の向こうに始まるキネマトグラフ。 

 

 

文芸批評・映画批評の大家である元東大総長、蓮實重彦が80歳で発表し、文壇をおおいにざわつかせた話題作。第29回三島由紀夫賞を受賞。受賞時のインタビューでは「小説が向こうからやってきた」「文芸批評をやっていればこんなものいつでもかける」「なぜこんな作品に賞を与えるのか」とぶち上げており、蓮實重彦ここに極まれりという感じである。

 

とはいえそう言うだけあって、小説、相当に面白いのだよな。小説全体に張り巡らされるオマージュの断片、映画的な構成、愛の不在と破滅の予兆。蓮實的存在…なんて口が裂けても言えないけれども、蓮實重彦の書いた小説として、これ以上なくそれらしいものであると思う。

 

受賞時の挨拶もニューアカ世代の文人だなあ~~~~~という感じで最高。

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