【191103】現代短歌が好き
前もブログで触れた、とても好きな記事が電子書籍になったという報せを見て、1分後にはダウンロードしていた。
やっぱり好きだなー。
「ぼく」と「Kさん」の関係性もだけど、この方のつくる短歌も好きだ。「いま、ここ」性が強いというか、この歌たちを詠めるのって(失礼を承知で、技量の青さも含めて)おそらく人生の中でもすごく限られた季節だけであって。そこでしか使えないことばで言語芸術にした愛が、しかもそれ自身を媒介にして展開していくの、無敵じゃん。一等賞。
あと、そもそも現代短歌がかなり好きなのだ。一般的に「現代短歌」は俵万智よりあとくらいを指すと思うけど、もっともっと直近の、切実さとか、衝動性が全面に出た、SNS世代の口語短歌。谷川電話さんの『恋人不死身説』とかめちゃくちゃ好みだ。
ろうそくの火にきみがふく息をつい吸い込んじゃった 暗くてもラブ
ひまわりに取り囲まれて恋人は負けじと笑う、笑うのでした
谷川電話『恋人不死身説』より
「ラブ」で閉じる短歌、まじすごい。
現代口語短歌ってどうしてもコンプレックスを歌いがちというか、生きづらさ品評会じゃん、疎外感ばっかり託されても短歌の気持ちはどうかな、みたいなところがあり、まあそれもセンチメンタルで嫌いではないけど、やっぱり、同じくらいの鋭さだったら、幸せな感情が込められた31音のほうが良いよな。人によるんだろうけど。