akechi’s diary

今日も大丈夫です

【190823】読んだ:澤村伊智『ぼぎわんが、来る』

こわ~……

 

f:id:akechi_countif:20190824035708j:plain



ライトめの小説が読みたいなと思って購入。
今年の7月に中島哲也監督で『来る。』として映画化したのが記憶に新しく、本編は未視聴なものの予告編が結構エンターテイメント感が強かったので、原作のホラー具合もちょうどいいかなと。そしたら怖~~~…。

 

タイトルのぼぎわんというのは作中に登場する怪異で、西洋の都市伝説のbogeyman(ブギーマン)から転じたという設定。このぼぎわんが主人公たちを執拗に付け回す、というのが本作の大筋になる。自分はこういう日常が理不尽に侵食される系のホラーが本当にダメで、特に小さい頃は都市伝説に怯え続けていた。口裂け女とか。理不尽というのは、「理外の存在」「こっちに非がないのに」「回避不能」という3つのニュアンスを含む。知っていますか、口裂け女は100メートルを3秒で走るんですよ。

 

話をもどすと、このぼぎわんがマジで理不尽。家を訪ねてくる系(家に入れちゃいけない系)の怪異なんだけど、めちゃくちゃ知恵を使ってくる。外堀から埋めてきたり、主人公の仲間に化けたり、主人公を直接騙して結界を解かせたり。搦手を使ってくる怪異って最悪。ふつうこういうおばけってある種のルールに則った上での災害だろう。

 

さっきの理不尽のくだりでもうっすら触れたけど、こういう「もしかしたら自分のところにもくるんじゃないか」的な後味の悪さがホラー作品の醍醐味であって、本当に怖い部分だとも思う。読了してゾワーっとしていたところに、同居人から「明日は退勤後そのまま実家に帰るので、(こっちの)家には帰らない」という初出し情報。ホラーコンテンツを体験したあとの人間を一人で家に残すの、重罪だぞ。この文章は家で一人、漠然と怯えながら書かれている。