akechi’s diary

今日も大丈夫です

【200127】ジャイアントケルプこわい

業務中、AccessSQLを用いてバカみたいなクエリを記述し、アホみたいなデータ出力をする場面が多々ある。時に処理の重さにより数分程度作業の待ち時間が発生するのだけれど(そんなクエリを投げるな)、この日記の文章は主にそういった空隙に生まれている。

 

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話題の『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を読了した。
実に面白かったな……。帯で「嘘でしょ?」ってくらいにハードル上げられてたものを、軽々、とは行かないまでも確実に超えていた。重ねて言うが、ハードルの上げられ方が異常だったので超えただけでとんでもないことだと思う。色々書きたいことはあるけど、ネタバレせずに満足行くことが書ける気がしないので、もう少し寝かせておこう……。「このミス」1位、納得です。文脈がまあまあラノベなので実写化とかはあまりしないでほしいな。エゴだ。

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また待ちの時間になってしまったので、ジャイアントケルプのことを考えている。ラッコが身体に巻き付ける海藻。めちゃくちゃ怖いなと思っている。自分より巨大な有機物が繁茂しているという意味では森も同じ条件だと思うのだけど、ジャイアントケルプの密生地帯のほうが明確に怖い。密生度とか、見通しの悪さによるものなのかな。

 

www.youtube.com

こっっっわ……

 

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かに汁 in the office

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【200124】読んだ:弘子ラザヴィ『カスタマーサクセスとは何か』

マネジメントする組織にカスタマーサクセスチームという部隊が新設された。まあまだ1~2名程度の小さいチームなうえ、商材がいわゆるサブスク系のサービスではない(ビジネスとしては冠婚葬祭とかそっちに近い)ものなのでそのまま取り入れるのは難しいにせよ、世の中のカスタマーサクセスの潮流や手法をひとまずインプットしなきゃなーということで読んだ。表紙が赤くて目立ってたし。

 

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本書はカスタマーサクセスを実現する具体的手法には一切「触れていない」。タイトルどおり、カスタマーサクセスとはなにか、そしてそれは組織においてどう機能するのかのみについて書かれている。
序盤の方では「モノ消費→コト消費」とか「リテンションモデル」とか、あらゆる産業はソフトウェア化していく、みたいな、いつまで言ってるのそれ、もう2020年代なんですケド……みたいなワードが頻出していささかげんなりしていたものの(出版は2019年なので2020年代のくだりは半分言いがかりだし、基礎から解説している分むしろ親切な構成だと言える)、後半になりカスタマーサクセスをいかに組織に組み込むかみたいな話が主軸になってからはがぜん興味深く読んだ。ノウハウや語り口が鮮やかだったというよりは、カスタマーサクセスが機能する組織を作るのってマジのマジで困難だから腹くくれ、みたいな迫力が伝わってきたのがよかった。

 

Q. カスタマーサクセスチームをより効果的に機能させるには?
A. チームへの予算配分を見直してもらってください

 

↑こんな身も蓋もない、かつ本質的なことがたくさん書いてある。

 

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現職はほとんどベンチャー企業みたいなものなので、「カスタマーサクセス」の看板を楯にけっこうなんでもやっていい気がしている。「カスタマーサクセス」って言ってしまえば【1顧客あたりの売上(LTV)が上がること】と言えるわけで、それってマーケティングブランディング以外の企業活動のほぼすべてなのではないか? ドラクエで「さいごのカギ」(どんな扉でも開けられるアイテム)を手に入れたときみたいな高揚感。やりたいことが山ほどあるぞ。勝負どころってやつなのかもしれない。

 

カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」

カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」

 

 

【200123】今年の目標を立てたい

ブログがただの読書記録になっていたので久々に日記のほうをやろうかな。

 

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年が明けて以降、今年の目標を立てなければなーと思いつづけている。つまり未着手ということだ。
2018年の目標は「セクシー」、2019年の目標は「パッション」だったんだけど(それぞれ2秒で決めた)、どこにも行き着かなかったので2020年はしっかりしようかなという気持ち。今年でもう、30歳になるから……。

 

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組織変更対応がやっと落ち着いて平穏な日々が戻った。しかしそれはそれでもの足りず、あえて仕事を溜めてセルフ炎上状態を作ってしまうフシがある。限りなく暇な日か限りなくヤバい日しかない。というか、そもそも私は物事全般に対して、本当にギリギリになるまで手を付けられない。その結果としてヤバくなったときの処理能力やアドリブ力、最後の頼みの体力ばかり発達した歪なパラメータになってしまった自覚があるのだけど、仕事ができるってそういうことじゃないと思う。

 

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本読みたいなー。とにかく今年は本を読みたい。本は読みたいが、読もうとして気づいたら「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の実況プレイ動画を4時間見ていたりする。バグか?

 

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2020年の目標、「グラマラス・デイズ」にします。

 

【200117】読んだ:飛浩隆『自生の夢』

びっくりして二回読んだわ。

 

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【あらすじ】
<忌字禍(イマジカ)>。天才詩人アリス・ウォンを食って生まれたその災いによって、世界の言語システムは崩壊しようとしていた。未曾有の怪物を滅ぼすため、言葉によって過去73名を絶命させた稀代の殺人者が召喚される――。

 

ちょっとめちゃくちゃ面白かったな……。このまま何もなければ2020年のベストなんじゃないか。半年くらい前から読みたい本リストには入れていたんだけど、もっと早く読めばよかった。久々に本を読んで興奮しました。

 

飛浩隆『自生の夢』は、同タイトルの中編を核に据えたSF短編集。あらすじからもわかるように、本書では言葉や詩といったモチーフが重要な役割を持つ。未踏地域の踏破や科学の発展、コンピュータサイエンスみたいな概念がある程度掘り尽くされて以降、SFは数学的、あるいは言語的(突き詰めると同じものなのかもしれないが)な分野の地平を切り拓き形而上方向へぐんぐん先端化していっているわけだけれど、本書はそれ自体が極めて官能的なイメージを湛えた詩であるという点でほとんど唯一無二なのではとすら思う。

 

SFがscienceを展開してmathmaticsやlinguisticsの方向に純化していったのは「なりたち」そのものを明らかにしたいという欲望(すなわちmathmaticsは世界を、linguisticsはわれわれ自身を)なのではないかと思うのだけれど、われわれという存在を定義しようとする言語的なこころみは、言語の限界を超えた場所へ到達することはとうぜん出来ない。ただ本書に登場する殺人者・間宮潤堂――30年以上前に死んでいるが、残された膨大な著作から再構成される――のように、膨大なテクストの共鳴から<編み上げられるもの>は、言語的でありながら言語では到達出来ない地点まで届くのかもしれず、それがある側面では詩であり、ある側面では次のシステムであり、どこかの一側面ではわれわれ自身であるのかもしれないですね。ついそんなことを考えてしまう読書体験でした。

 

自生の夢 (河出文庫)

自生の夢 (河出文庫)

 

 

【200110】読んだ:有栖川有栖『ロシア紅茶の謎』

三が日からフルスロットルで勤労。
そろそろどかっと年収が上がらないと自我を保てないかもしれない。はやく自由になりたいよ...ベルメールさん...

 

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久しぶりに有栖川有栖作品を読んだ。去年は一冊も読まなかったかも。相変わらず綺麗なミステリだなー。ミステリを「本気で解きにかかる」村の住人にとっては難易度といい、フェアネスといい最高なのだろうな。一方、自分はどちらかというとミステリに「純粋に驚かされること」を求める村の住人なので、ケレン味とか飛び道具的トリックという面でやや物足りなさを感じるのも事実……。とはいえそれはクラシックという美点の裏返しでもあり、短編集として総じて楽しく読んだ。

 

本シリーズの探偵役、火村英生のキャラクター像――大学教授(助教・准教含む)で気だるげでニヒル、かつ美形の名探偵――ってもう最近だとすごく類型化された探偵役の1イメージだけど(犀川創平とかガリレオとか)、もしかしたら彼がそのはしりなのかもしれない。そしてこれまた典型的なワトソン役の有栖川有栖(キャラ名)との関係性、破壊的にBL受けしそうだなと読むたびに思ってしまう。この業界のことはあまりよく知らないけど、名探偵と助手、という関係性自体がたぶん典型的で、ジャンルの宿命とも言えるのかも。


ためしにpixivを見たら案の定たいへん賑わっていて、ヒムアリ派のほうが優勢らしい(ドラマでは斎藤工だったし)…というかヒムアリは超寡占カプで界隈では有名らしい。超寡占カプで、有名なんだ……。寡占というのはおそらく、どちらが「攻め」でどちらが「受け」なのか、の支持率が極めて偏っているということだろう。2020年も、絶対いい年にしような。

 

ロシア紅茶の謎 〈国名シリーズ〉 (講談社文庫)

ロシア紅茶の謎 〈国名シリーズ〉 (講談社文庫)

 

 

【200103】2019年の読書を振り返る

三が日。暇だったので2019年の読書をExcelでまとめてみた。
正確に記録をつけてきたわけではないので多少のヌケモレはあるにせよ、書影の写真を撮る癖があるのでスマホのカメラロールを遡っておおよそをExcelで整理。2019年の読書記録は以下の通り。

 

総読了冊数:59冊
 ―文芸:41冊
 ―ビジネス:12冊
 ―専門書・教養:5冊
 ―趣味・実用:1冊

※さらに細かい内訳とインデックスを画像で本記事下部に掲載

 

やっぱもう少し読みたいな。理想は100冊、現実的には70冊くらいが目標だろうか。もちろん冊数が多ければ良いってものでもないにせよ、「読書家ですけど?」みたいな面してる割に読了が週一冊ってちょっと格好つかないというか…。

 

年内ベストを挙げるとすると↓のあたりだろうか。順不同で。

・陳浩基『13・67』
七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』
・今村昌弘『魔眼の匣の殺人』

※2019年以前に出版されたものも含む

 

ミステリ、豊作だったなー。
2020年はある程度話題の作家・タイトルを片っ端から読もうかな。ミステリに限らずSFやホラーでもまだ読みたい本が大量にあるし、純文学も定期的に読んでいたい。仕事でも爆裂に裁量が広がったので、インプットがパフォーマンスにつながる期待値もかなり上がっているはず(組織・制度設計および中期戦略方針のデザインに噛めるようになったのはでかい)。その分「忙」にもなりそうだけれど……。


しかしこういう「振り返り」もの、ふつう年が明ける前にやるやつである。でも年末と年始なら一般的には年末のほうが忙しいわけで、むしろ年末のほうが理にかなっていないのではと思う。大掃除とかも。大掃除、年末じゃなくて初夏とか盛秋の気持ちがいい時期にやったほうが捗るのではないか? 文化、常にアップデートしていこう。

 

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f:id:akechi_countif:20200104004238p:plain※日付はだいたい。

 

13・67

13・67

 
魔眼の匣の殺人

魔眼の匣の殺人

 
 

 

【191226】読んだ:伊藤賀一『47都道府県の歴史と地理がわかる事典』

来四半期に向けた社内調整・組織アレンジがようやく一段落した。
また生き残ってしまった的な感覚。ラスト3日間くらいはヤバすぎて、各所からの問い合わせをすべて「年が明けたら考えます!!!」でハネ返していた。癖になりそう。

 

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マネージャーになってまで言うことじゃないけれど、世間話があまり得意じゃない。特に相手が年上になると3割増で。

 

相手の出身地/出身校の話とか、スポーツの話とか、芸能の話とか、いまいち打ち解けられないというか、相手に刺さりにいけないというか…。素の対人能力はさておいて、なんでかなーと考えてみたら、結局「自分が世間知らずだからじゃない?」という答えに行き着いてしまった。教養がないともいうかもしれない。(教養、偏っているだけだと思いたい)

 

そういう当たり障りのないコミュニケーションの場で加点を稼げるようなきわめて都合のいい本とかはないものかな、ということをわりと考えていたところ本書を発見。迷うことなく買いました。愛想の無さは知識でカバーだ。


内容としては本気の「広く浅く」で、社会科万能講師の筆者が47都道府県すべてについて地理・歴史・特産・有名企業・有名校・出身有名人・交通事情・ご当地ネタ…などをそれぞれ語り尽くしている。本全体のページ数が468ページだから、1都道府県につき平均10ページのボリュームがあるということで、それをたかだか新書1冊分の値段で手に入れていいんですかと言いたくなってしまう。Amazonのレビューを読むと「いまいち内容が薄くてつまらなかった」的なコメントも目につくけど、いいんです、この本はそれで。それがいいんです。ちなみに東京都はトウガラシの生産量が全国1位らしい。知らなかった。


世間話が苦手な皆さん、ともに教養の鎧を纏いましょう。

 

47都道府県の歴史と地理がわかる事典 (幻冬舎新書)

47都道府県の歴史と地理がわかる事典 (幻冬舎新書)